横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック

ぜんそく治療の中心は、気道を拡げて 炎症を抑えるコントローラー

ぜんそく治療の中心は、
気道を拡げて炎症を抑える
コントローラー
■吸収薬の種類と働き
ぜんそく治療には、吸入薬がよく使われます。吸入薬には毎日規則的に使うコントローラー長期管理薬と、発作が起きたときだけに使う発作治療薬があります。

さらに、コントローラーにはICS(吸入ステロイド薬)と長時間作用の吸入気管支拡張薬があります。それぞれの薬の働きを正しく理解しましょう。
  • 吸入ステロイド薬
  • ぜんそくの本態である気道の炎症を鎮めるコントローラー長期管理薬です。喘息の悪化を防ぐ効果があります。
  • すぐに効果が現れる薬剤ではありません。発作時には使わないでください。
  • 毎日規則正しく吸入しましょう。
  • 炎 症
  • 長時間作用の吸入気管支拡張薬
  • 気道を拡げる効果が長時間続き、ぜんそくの症状を出にくくするコントローラー長期管理薬です。
  • 吸入直後に効果が現れる即効性の吸入気管支拡張薬に比べ、ゆっくり効果が現れます。発作時には使わないでください。
  • 毎日規則正しく吸入しましょう。
  • 症 状
現在は吸入ステロイド薬と長時間作用の吸入気管支拡張薬の配合剤もあります。

治療ガイドラインで評価された
ICS(吸入ステロイド薬)

ガイドラインでも中心的な治療薬として位置づけられています。

ICS(吸入ステロイド薬)を中心とした治療は、「アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン2007」、「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005」をはじめ、世界の治療ガイドラインでも、ぜんそく治療の中心に位置づけられています。

また、「アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン2007」では成人気管支喘息の段階的薬物療法の軽症持続型から合剤(吸入ステロイド薬/長時間作用性β2刺激薬)が新たに追加され、治療の選択肢が更に幅広くなりました。

治療前の臨床状態に基づく発作型分類と治療ステップ

1)発作時には短時間作用性吸入β2刺激薬を頓用するが、感冒などの特殊な増悪因子がない普段は短時間作用性吸入β2刺激薬の頓用が不必要な状態になるように長期管理を行う。発作時でも短時間作用性吸入β2刺激薬を3~4回/日必要になることが週に3日以上ある場合は、長期管理をステップアップする。

2)抗アレルギー薬:本表では、メディエーター遊離抑制薬、ヒスタミンH1拮抗薬、トロンボキサンA2阻害薬、Th2サイトカイン阻害薬を指す。

3)記載順は選択順を示すものではなく、各症例に基づいて、担当医が決定する。
長時間作用性β2刺激薬を併用する場合は吸入ステロイド薬との合剤を使用することができる。
合剤:吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬の合剤を指す。

4)経口ステロイド薬は、まず間欠投与から開始する。

※ステップアップをする場合は、各ステップにおける薬剤アドヒアランスが十分であることを確認した後に行う。
※合剤を使用する場合は、長時間作用性吸入β2刺激薬の併用は、不可とする。

「アレルギー疾患 診断・治療ガイドライン 2007」より

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治療前の臨床状態に基づく
発作型分類と治療ステップ

小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン

1)抗アレルギー薬:化学伝達物質遊離抑制薬、ヒスタミンH1拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬に分けられる。DSCGと経口抗アレルギー薬を含む。

2)吸入ステロイド薬:力価はFP(フルチカゾンプロピオン酸エステル)あるいはBDP(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)換算とする。

3)ステップ4の治療で症状のコントロールができないものについては、専門医の管理のもとで経口ステロイド薬の投与を含む治療を行う。

小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン/幼児

1)抗アレルギー薬:化学伝達物質遊離抑制薬、ヒスタミンH1拮抗薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬に分けられる。DSCGと経口抗アレルギー薬を含む。

2)吸入ステロイド薬:力価はFP(フルチカゾンプロピオン酸エステル)あるいはBDP(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)換算とする。

3)ブデソニド吸入懸濁液は250μg×2/日または500μg/日を基準量として適宜増減する。ステップ別の推奨量は未定である。

4)テオフィリン徐放製剤の使用にあたっては、特に発熱時には血中濃度上昇に伴う副作用に注意する。

5)ステップ4の治療で症状のコントロールができないものについては、専門医の管理のもとで経口ステロイド薬の投与を含む治療を行う。

6)DSCG吸入液をネブライザーで吸入する場合、必要に応じて少量(0.05~0.1mL)のβ2刺激薬と一緒に吸入する。β2刺激薬は発作がコントロールされたら中止するのを基本とする。

7)β2刺激薬は発作がコントロールされたら中止するのを基本とする。

8)DPIが吸入できる児

乳児喘息の長期管理に関する薬物療法

1)経口抗アレルギー薬:ロイコトリエン受容体拮抗薬、ヒスタミンH1拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬、化学伝達物質遊離抑制薬。吸入抗アレルギー薬:DSCG吸入液

2)経口抗アレルギー薬を使用している場合

3)吸入液をネブライザーで吸入する。必要に応じて少量(0.05~0.1mL)のβ2刺激薬と一緒に吸入する。β2刺激薬は発作がコントロールされたら中止するのを基本とする

4)BDP-pMDI、FP-pMDIはマスクつき吸入補助具を用いて吸入する。推奨量はBDP、FP換算

5)ブデソニド吸入懸濁液は250μg×2/日または500μg/日を基準量として適宜増減する。ステップ別の推奨量は未定である。

6)β2刺激薬(貼付・経口)は症状がコントロールされたら中止するのを基本とする

7)6ヵ月未満の児は原則として対象とならない。適用を慎重にし、けいれん性疾患のある児には原則として推奨されない。発熱時には、一時減量あるいは中止するかどうか、あらかじめ指導しておくことが望ましい

8)ステップ3以上の治療は小児アレルギー専門医の指導・管理のもとで行うことが望ましい。ステップ4の治療で喘息のコントロールが不十分な患者の治療は原則として専門医が行う

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